A さんは、食事を全く食べず、水分も取らなくなり、皮膚も乾燥してきた。家族は毎日…
次の文を読み97〜99 の問いに答えよ。A さん(92 歳、女性)は、脳梗塞の後遺症のため要介護4で、2年前から特別養護老人ホームに入所している。入所時は、日常生活は全介助で、話しかけるとうなずいたり首を振るなど自分の意思を伝えることができた。A さんは歌が好きで、歌に関するレクリエーションには車椅子で参加し、笑顔がみられていた。家族は週1回、面会に来ていた。入所時に、A さんは「延命処置を望まない」、家族は「できるだけ長生きしてほしい」と言っていた。最近、ほとんど食事を摂らなくなり、閉眼していることが多く、看護師や施設職員の声かけに対する反応が徐々に鈍くなってきた。家族が面会時に声をかけると、目を開け、うなずくなどの意思表示がある。A さんの状態から、医師と相談し看護師は看取りの準備が必要であると判断した。
A さんは、食事を全く食べず、水分も取らなくなり、皮膚も乾燥してきた。家族は毎日面会にきて声をかけているが、反応がなくなってきた。A さんが死に向かう中で、穏やかに過ごすための援助で適切なのはどれか。
- ⑴ 好きな音楽をかける。聴覚は最後まで残るとされ、なじみのある音楽が穏やかな時間を作ります。
- ⑵ 輸液療法を検討する。この時期の輸液は浮腫や気道分泌を増やし、かえって苦痛になることがあります。
- ⑶ 家族の面会を制限する。家族との時間は本人にとっても家族にとっても大切で、制限すべきではありません。
- ⑷ 皮膚の清潔ケアを頻回に行う。清潔ケアは必要ですが、頻回に行うと体力を消耗させてしまいます。
解説
正解は⑴です。死に向かう過程では聴覚が最後まで残るとされており、好きだった音楽をかけることは、本人になじみのある心地よい刺激となって穏やかな時間を作ります。家族が話しかける声も同じように届いていると考えて関わります。反応が乏しくなった時期の輸液は、かえって浮腫や気道分泌を増やして苦痛になることがあります。家族の面会は制限せず大切にします。皮膚の清潔ケアは必要ですが、頻回にすると体力を消耗させます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp210416-03_04_05.html)を加工して作成