すべての蘇生処置が終了した直後の児の呼吸数は90/分、陥没呼吸が著明で、聴診では…
次の文を読み53〜55 の問いに答えよ。Aさん(28 歳、1回経産婦)。妊娠41 週2日、陣痛発来にて入院した。陣痛発来から6時間後に破水し、羊水混濁を認めた。胎児心拍数陣痛図では高度の変動一過性徐脈を認め、吸引分娩で3,700 g の児を娩出した。出生直後に啼泣はなく、出生から30 秒後にはあえぎ呼吸で筋緊張が低下していたため人工換気を開始した。このときの心拍数は6秒間に4回であった。
すべての蘇生処置が終了した直後の児の呼吸数は90/分、陥没呼吸が著明で、聴診では呼吸音に伴ってラ音と捻髪音とが広範囲に聴取された。この時点で撮影した児の胸部エックス線写真(別冊No. 4)を別に示す。この児に最も疑われる疾患はどれか。
- ⑴ 気胸気胸では、片側の肺が虚脱した像になります。
- ⑵ 心不全心不全では、このような経過と所見になりません。
- ⑶ 肺低形成肺低形成は、羊水過少などを背景に起こります。
- ⑷ 胎便吸引症候群羊水混濁があり、不均一な陰影と過膨張を示します。
- ⑸ 先天性横隔膜ヘルニア胸腔内に腸管の像が現れるのが、特徴になります。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。羊水混濁があり、出生後に著明な陥没呼吸と広範囲のラ音、捻髪音が聴かれることから、胎便を吸い込んで気道が閉塞した胎便吸引症候群が最も疑われます。エックス線写真では、両肺に不均一な粒状陰影と過膨張がみられます。気胸では片側の肺が虚脱し、横隔膜ヘルニアでは胸腔内に腸管の像が現れます。肺低形成や心不全では、このような経過と所見にはなりません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp160411-03.html)を加工して作成