A さん(32 歳、初妊婦)。妊娠6週に、四肢と体幹に軽度の隆起を伴う紅色の皮疹…
A さん(32 歳、初妊婦)。妊娠6週に、四肢と体幹に軽度の隆起を伴う紅色の皮疹が多発しているのが確認された。妊娠前に外陰部の腫瘤を自覚していたが、自然に消失したという。産婦人科で梅毒血清反応と梅毒トレポネーマ抗体血清検査〈TPHA〉を行ったところ、いずれも陽性であった。A さんへの治療で正しいのはどれか。
- ⑴ γ-グロブリンの投与を行う。γ-グロブリンは、梅毒の治療には用いません。
- ⑵ ペニシリン系抗菌薬を投与する。妊娠中も第一選択であり、直ちに開始します。
- ⑶ 妊娠12 週以降に治療を開始する。診断がついた時点で、直ちに治療を始めます。
- ⑷ 陰圧室に隔離して治療を行う必要がある。接触感染であり、陰圧室への隔離は不要です。
- ⑸ 梅毒トレポネーマ抗体血清検査〈TPHA〉が陰性となるまで治療を継続する。TPHAは治癒後も陽性が続き、指標になりません。
解説
正解は⑵です。梅毒の治療は妊娠中もペニシリン系抗菌薬が第一選択で、胎児への感染を防ぐため診断がついた時点で直ちに開始します。12週を待つ必要はありません。梅毒は接触感染であり隔離は不要で、治療の効果は梅毒血清反応の値の低下で判断します。TPHAは治癒後も陽性が続くため治療の指標にはなりません。パートナーの検査と治療も同時に行うことが、再感染を防ぐ鍵になります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp200414-03_04_05.html)を加工して作成