11 か月の女児。意識消失と顔面蒼白とを主訴に救急車で搬入された。既往歴に特記す…
11 か月の女児。意識消失と顔面蒼白とを主訴に救急車で搬入された。既往歴に特記すべきことはない。発育と発達は正常である。手におもちゃをもって遊んでいたところ、3 歳の兄が急にそれを取り上げた。児は激しく泣き、呼気のまま呼吸を停止し、顔面が蒼白となり意識が消失したという。意識は10 秒程度で回復し、来院時は四肢を活発に動かし顔色は良好になっている。体温37.0 ℃。心拍数128/分、整。呼吸数28/分。SpO2 98 %(room air)。適切な対応はどれか。
- ⑴ 経過観察予後良好な憤怒けいれんであり、経過観察とし家族に説明します。
- ⑵ 酸素投与来院時は回復しSpO2も正常で、酸素投与は不要です。
- ⑶ 鎮静薬投与発作は自然に回復しており、鎮静薬は不要です。
- ⑷ 鎮痛薬投与痛みの訴えはなく、鎮痛薬は不要です。
- ⑸ 抗けいれん薬投与てんかんではないため、抗けいれん薬は不要です。
解説
正解は⑴です。乳児が激しく泣いた後に呼気位で呼吸を停止し、顔面蒼白となって意識を失い、短時間で回復しており、憤怒けいれん(泣き入りひきつけ、息止め発作)と考えられます。生後6か月から2歳ごろに多く、泣いたことをきっかけに起こる反射的な発作で、てんかんではありません。発育・発達は正常で、来院時には完全に回復しています。予後は良好で、多くは5歳ごろまでに自然に消失するため、経過観察とし、家族を安心させます。鉄欠乏性貧血があれば鉄剤が有効です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成