21 歳の女性。言動の変化を心配する両親に連れられて来院した。本人は何も話さず下…
21 歳の女性。言動の変化を心配する両親に連れられて来院した。本人は何も話さず下を向いていた。両親によると、18 歳の時に大学受験に失敗したころから自分の部屋に閉じこもり、昼夜逆転の生活となった。受診の2 か月前から、「近所の子供が自分の悪口を言っている」、「自分の考えたことがテレビで放送されている」などと訴えるようになったという。その後、外来での2 か月半の薬物療法で昼夜逆転の生活は改善し、奇異な発言もなくなった。自宅の居間で新聞を読んだり家族と会話したりするようになったが、通院以外は外出していない。本人は「大学受験はせずに、しばらくゆっくりしたい」と言い、母親は「大学受験しないのであれば働いてほしい」と言う。現時点において提案することとして最も適切なのはどれか。
- ⑴ 入院治療症状は改善しており、入院治療の必要はありません。
- ⑵ 生活保護の申請両親と同居しており、生活保護の申請を提案する状況ではありません。
- ⑶ 成年後見制度の利用判断能力に問題はなく、成年後見制度の利用は不要です。
- ⑷ 精神科デイケアへの通所社会生活機能の回復のため、段階的なリハビリとして精神科デイケアが適切です。
- ⑸ 就労移行支援事業所の紹介外出も通院のみの段階で、就労移行支援はまだ時期尚早です。
解説
正解は⑷です。幻聴や考想伝播などの陽性症状を呈した統合失調症で、薬物療法により陽性症状は改善し、家族との会話もできるようになっていますが、長期間の閉じこもりのため社会生活機能が低下しており、通院以外は外出していません。現時点ではまず生活リズムを整え、対人交流や社会生活技能の回復を図る段階的なリハビリテーションとして、精神科デイケアへの通所を提案するのが適切です。その後、状態に応じて就労支援を検討します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成