1 歳10 か月の男児。けいれんを主訴に両親に連れられて夜間救急外来を受診した。…
1 歳10 か月の男児。けいれんを主訴に両親に連れられて夜間救急外来を受診した。2 日前から咳嗽と鼻汁がみられていた。本日の夕方までは元気で食欲も良好であったが、夜になって発熱に気付いた。下痢や嘔吐はなく、排尿も良好であった。その後左右差のない全身を強直させるけいれんが出現し、2 分間持続した。1 歳2か月時に同様のけいれんの既往がある。予防接種は、予定どおり接種している。意識は清明。身長84 cm、体重11.2 kg。体温38.5 ℃。脈拍128/分、整。血圧100/60mmHg。呼吸数28/分。SpO2 99 %(room air)。皮膚のツルゴールの低下はない。瞳孔は左右差なく、対光反射は正常。咽頭に軽度の発赤を認める。鼓膜に異常を認めない。胸部と腹部とに異常を認めない。項部硬直とKernig 徴候とを認めない。四肢の筋緊張は正常で、腱反射の亢進を認めない。救急外来での親への説明で適切なのはどれか。
- ⑴ 「輸液が必要です」脱水はなく、輸液の必要はありません。
- ⑵ 「抗菌薬を投与します」細菌感染症を示唆する所見はなく、抗菌薬の投与は不要です。
- ⑶ 「ビタミンK を投与します」ビタミンK欠乏性出血症を疑う所見はなく、ビタミンKの投与は不要です。
- ⑷ 「1 時間後に再度診察します」単純型熱性けいれんであり、時間をおいて再診察し意識や全身状態を確認するのが適切です。
- ⑸ 「抗けいれん薬を投与します」けいれんはすでに止まり意識も清明で、抗けいれん薬の投与は不要です。
解説
正解は⑷です。1歳10か月の児が発熱に伴って2分間の左右対称性の全身性けいれんを起こし、すでに意識は清明で、髄膜刺激徴候や神経学的異常、脱水もありません。過去にも同様のけいれんがあることから、単純型熱性けいれんと考えられます。日本小児神経学会の熱性けいれん診療ガイドライン(2025年時点)では、単純型熱性けいれんで意識が回復していれば、検査や抗けいれん薬の投与は不要で、一定時間後に再診察して状態を確認します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成