55 歳の男性。口渇、多飲および多尿を主訴に来院した。尿量6 ~8 L/日と著明…
55 歳の男性。口渇、多飲および多尿を主訴に来院した。尿量6 ~8 L/日と著明な多尿が数週間続いている。口腔内は乾燥している。尿所見:蛋白(-)、糖(-)。頭部造影MRI のT 1 強調冠状断像(別冊No. 4A)と頭部単純MRI のT 1 強調矢状断像(別冊No. 4B)とを別に示す。予想される所見はどれか。
- ⑴ 尿ケトン体陽性尿糖は陰性で糖尿病はなく、尿ケトン体陽性は予想されません。
- ⑵ 尿浸透圧の低下抗利尿ホルモンの欠乏により水の再吸収ができず、尿浸透圧が低下します。
- ⑶ 血清尿素窒素の低下脱水傾向となるため、血清尿素窒素の低下は予想されません。
- ⑷ 血清ナトリウムの低下水の喪失により、血清ナトリウムはむしろ上昇傾向となります。
- ⑸ 脳脊髄液細胞数の増加中枢性尿崩症で脳脊髄液の細胞数増加は通常予想されません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵です。数週間続く1日6〜8Lの多尿と口渇・多飲があり、尿糖は陰性です。頭部MRIでは下垂体茎の肥厚や、T1強調像での下垂体後葉の高信号の消失などを示すと考えられ、リンパ球性漏斗下垂体後葉炎などによる中枢性尿崩症が疑われます。抗利尿ホルモン(バソプレシン)の分泌が低下するため、腎での水の再吸収ができず、低浸透圧の尿が大量に排泄されます。口渇に応じて飲水できない場合は高ナトリウム血症を来します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成