ソクマル医師

最も考えられる病態はどれか。

75 歳の男性。尿量の減少を主訴に来院した。現病歴 : 約1 年前から排尿困難感を自覚していたが医療機関を受診しなかった。2 日前から感冒様症状があり、自宅近くの診療所から総合感冒薬とアセトアミノフェンが処方され内服していた。昨夜、飲酒をした後から排尿困難感が悪化し、尿が間欠的に少量しか出なくなった。下腹部の膨満感も強くなったため、救急外来を受診した。既往歴 : 高血圧症、糖尿病。生活歴 : 喫煙は70 歳まで10 本/日を50 年間。飲酒は機会飲酒。家族歴 : 特記すべきことはない。現 症 : 意識は清明。身長175 cm、体重77 kg。体温36.4 ℃。脈拍64/分、整。血圧140/92mmHg。呼吸数 20/分。SpO2 97 %(room air)。努力呼吸を認めない。皮膚、口腔内の乾燥を認めない。腹部は下腹部が膨隆しており、やや硬い。軽度の圧痛がある。腸雑音に異常を認めない。直腸指診で径5 cm、弾性硬の前立腺を触知し、圧痛を認めない。検査所見 : 尿所見:蛋白(-)、糖1 +、潜血(-)、沈渣に異常を認めない。血液所見:赤血球489 万、Hb 15.0 g/dL、Ht 44 %、白血球5,200、血小板17 万。血液生化学所見:総蛋白7.7 g/dL、アルブミン4.8 g/dL、総ビリルビン0.8 mg/dL、AST 26 U/L、ALT 15 U/L、LD 200 U/L(基準124~222)、ALP 67 U/L(基準38~113)、γ-GT 40 U/L(基準13~64)、アミラーゼ108 U/L(基準44~132)、CK 180U/L(基準59~248)、尿素窒素14 mg/dL、クレアチニン0.9 mg/dL、尿酸6.6mg/dL、血糖130 mg/dL、HbA1c 6.5 %(基準4.9~6.0)、Na 138 mEq/L、K 4.1mEq/L、Cl 100 mEq/L。CRP 0.1 mg/dL。腹部超音波像(別冊No. 5)を別に示す。
最も考えられる病態はどれか。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。

解説

正解は⑵です。前立腺肥大症による排尿困難のある高齢男性が、抗コリン作用をもつ総合感冒薬の内服と飲酒を契機に、尿が少量ずつしか出なくなり、下腹部の膨隆と圧痛を来しています。腹部超音波では膀胱内に大量の尿が貯留していると考えられ、急性尿閉です。尿の一部がわずかに出る状態(溢流性尿失禁)を尿量減少と感じることがあります。脱水所見はなく、腎機能も正常で、腎後性腎障害にはまだ至っていないと考えられます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成

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