ソクマル医師

88 歳の女性。呼吸困難を主訴に救急車で搬入された。3 か月前から心窩部痛があり…

88 歳の女性。呼吸困難を主訴に救急車で搬入された。3 か月前から心窩部痛があり、2 か月前には悪心で食事が摂れなくなり、3 週間前から嘔吐を繰り返すようになった。睡眠中に嘔吐し、呼吸困難が出現したため家族が救急車を要請した。喫煙歴と飲酒歴はない。意識は清明。身長148 cm、体重36 kg。1 か月で6 kg 体重が減少した。体温36.2 ℃。心拍数108/分、整。血圧98/48mmHg。呼吸数12/分。SpO2 94 %(マスク5 L/分 酸素投与下)。呼吸音は前胸部右側で減弱し、coarse crackles を聴取する。腹部は膨隆し、圧痛を認める。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、ケトン体2 +、潜血(-)。血液所見:赤血球418 万、Hb 11.9 g/dL、Ht 38 %、白血球5,500、血小板30 万。血液生化学所見:総蛋白6.4 g/dL、アルブミン2.8 g/dL、総ビリルビン0.5 mg/dL、AST 26 U/L、ALT 18 U/L、LD 202U/L(基準124~222)、ALP 110 U/L(基準38~113)、尿素窒素28 mg/dL、クレアチニン1.4 mg/dL、血糖88 mg/dL、Na 132 mEq/L、K 4.6 mEq/L、Cl 98mEq/L、Ca 8.8 mg/dL、P 2.7 mg/dL、CEA 18.6 ng/mL(基準5 以下)、CA19-936 U/mL(基準37 以下)。CRP 3.0 mg/dL。腹部単純CT(別冊No. 23A、B)を別に示す。気管内吸引で食物残渣を多量に認め、その後低酸素血症は改善した。2 週間後に開腹手術を行うことにした。低栄養に対して、栄養サポートチーム〈NST〉に介入依頼をした。まず行うべき対応はどれか。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。

解説

正解は⑶です。CEA高値の胃癌による幽門狭窄で経口摂取ができず、嘔吐による誤嚥性肺炎を起こした高度低栄養の高齢者です。長期の飢餓状態にある患者に急に多量の栄養を投与すると、低リン血症などのリフィーディング症候群を起こす危険があります。NST介入の初期対応としては、まず末梢静脈輸液で脱水と電解質を補正し、少量から段階的にエネルギーを増やします。その後、中心静脈栄養などで術前の栄養状態の改善を図ります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成

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