ソクマル医師

30 歳の女性。嘔吐と体重減少を主訴に来院した。6 か月前から仕事のストレスで食…

30 歳の女性。嘔吐と体重減少を主訴に来院した。6 か月前から仕事のストレスで食欲が落ち、体重が55 kg から40 kg まで減少した。その後、食後の悪心と嘔吐を繰り返すようになり、徐々に体重が減少するため受診した。上半身を前屈して食事をとると、食後の症状は軽減する。吐物に血液の混入は認めない。黒色便は認めない。意識は清明。身長160 cm、体重35 kg。体温36.5 ℃。脈拍72/分、整。血圧106/68mmHg。呼吸数20/分。SpO2 98 %(room air)。眼瞼結膜は軽度貧血様であり、眼球結膜に異常は認めない。腹部は陥凹しているが、圧痛を認めない。血液所見:赤血球412 万、Hb 10.2 g/dL、Ht 38 %、白血球5,600(好中球62 %、好酸球3 %、単球5 %、リンパ球30 %)、血小板27 万。血液生化学所見:総蛋白6.9 g/dL、アルブミン3.3 g/dL、総ビリルビン1.0 mg/dL、直接ビリルビン0.4 mg/dL、AST 17 U/L、ALT 20 U/L、尿素窒素28 mg/dL、クレアチニン0.5 mg/dL、CEA 2.5 ng/mL(基準5 以下)、CA19-9 17 U/mL(基準37 以下)。CRP 0.1 mg/dL。水溶性造影剤による上部消化管造影像(別冊No. 24A、B)を別に示す。B はA の20 分後の像である。造影剤が十二指腸に停滞し、空腸への流出がみられなかった。最も考えられる疾患はどれか。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。

解説

正解は⑷です。急激な体重減少(55kgから35kg)の後に食後の悪心・嘔吐が出現し、前屈位で症状が軽減しています。造影では十二指腸水平部で造影剤が停滞し、空腸への流出を認めません。体重減少で上腸間膜動脈と大動脈の間の脂肪組織が減少し、両者の間の角度が狭くなって十二指腸水平部が圧迫される上腸間膜動脈症候群が考えられます。前屈位や左側臥位で症状が軽減するのが特徴で、治療は栄養療法による体重回復です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成

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