75 歳の男性。鼻部の皮疹を主訴に来院した。約2 年前から鼻根部に小さな皮疹が出…
75 歳の男性。鼻部の皮疹を主訴に来院した。約2 年前から鼻根部に小さな皮疹が出現したが医療機関を受診しなかった。徐々に増大し、中心部が少し凹み、縁が堤防状に盛り上がってきた。時々、かさぶたが付着し、剝がれるとわずかに出血することがあったが、痛みや痒みはない。鼻根部に長径20 mm の結節を認める。頸部リンパ節の腫大はない。鼻部の皮疹の写真(別冊No. 21A)とダーモスコピー像(別冊No. 21B)とを別に示す。診断はどれか。
- ⑴ 悪性黒色腫悪性黒色腫は色調の不均一な色素斑や結節で、急速に増大し転移しやすいです。
- ⑵ 基底細胞癌顔面中央の中心陥凹と堤防状隆起を示す緩徐増大の結節は基底細胞癌の典型です。
- ⑶ 日光角化症日光角化症は露光部の鱗屑を伴う紅斑で、堤防状隆起は示しません。
- ⑷ 有棘細胞癌有棘細胞癌は角化を伴う結節や潰瘍で、比較的速く増大します。
- ⑸ 脂漏性角化症脂漏性角化症は表面が疣状の良性腫瘍で、潰瘍化は通常しません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵です。高齢者の顔面中央部(鼻根部)に、数年かけて緩徐に増大する結節で、中央が陥凹して辺縁が堤防状に隆起し、潰瘍化や出血を伴う所見は基底細胞癌に典型的です。ダーモスコピーでは樹枝状血管や青灰色の卵円形胞巣などがみられます。基底細胞癌は皮膚癌で最も多く、局所浸潤性ですが転移はまれです。治療は十分な切除マージンをとった外科的切除です。紫外線曝露が主な危険因子です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成