63 歳の男性。右上肢の挙上困難を主訴に来院した。4 週間前に農作業中に転倒した…
63 歳の男性。右上肢の挙上困難を主訴に来院した。4 週間前に農作業中に転倒した際、右手をついた。その後右肩の動作時や夜間の疼痛が続くため、市販の鎮痛薬を内服していた。自動的には右上肢の挙上はできないが、右肩関節の他動的な可動域は正常であった。肩関節エックス線写真(別冊No. 19)を別に示す。右上肢の挙上障害の原因で考えられるのはどれか。
- ⑴ 鎖骨骨折鎖骨骨折では骨折部の圧痛や変形を伴い、X線で骨折線を認めます。
- ⑵ 肩関節脱臼肩関節脱臼では他動的な可動域も制限され、X線で骨頭の偏位を認めます。
- ⑶ 肩腱板断裂自動挙上不能で他動可動域が正常なのは肩腱板断裂に典型的です。
- ⑷ 上腕骨骨折上腕骨骨折ではX線で骨折線を認め、他動運動でも強い痛みを伴います。
- ⑸ 変形性肩関節症変形性肩関節症では他動的な可動域も制限されます。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶です。高齢男性が転倒して手をついた後から、右肩の運動時痛と夜間痛が続き、自動挙上はできないものの他動的な可動域は保たれています。これは肩腱板断裂(特に棘上筋腱)に典型的な所見で、エックス線写真では骨折や脱臼を認めず、肩峰骨頭間距離の狭小化などがみられることがあります。確定診断にはMRIや超音波検査が有用です。他動可動域も制限される凍結肩(肩関節周囲炎)との鑑別が重要です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成