54 歳の男性。労作時の息切れを主訴に来院した。以前から心電図異常を指摘されてい…
54 歳の男性。労作時の息切れを主訴に来院した。以前から心電図異常を指摘されていたが精査は受けていなかった。身長172 cm、体重64 kg。体温36.5 ℃。脈拍72/分、整。血圧130/80mmHg。呼吸数18/分。頸静脈の怒張は認めない。胸骨左縁第4 肋間を中心にLevine 4/6 の収縮期雑音とⅣ音を聴取する。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下肢に浮腫を認めない。心エコー検査の傍胸骨長軸像(別冊No. 18A)とM モード(別冊No. 18B)とを別に示す。この患者の心雑音増強因子で誤っているのはどれか。
- ⑴ 頻脈頻脈では拡張期が短縮して左室容積が減り、雑音は増強します。
- ⑵ 立位立位では静脈還流が減少して左室容積が減り、雑音は増強します。
- ⑶ 硝酸薬投与硝酸薬は前負荷を減少させ、流出路狭窄を強めて雑音を増強します。
- ⑷ Valsalva 手技Valsalva手技は静脈還流を減らし、雑音を増強します。
- ⑸ ジソピラミド投与ジソピラミドは陰性変力作用で流出路圧較差を減らし、雑音を減弱させます。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑸です。胸骨左縁第4肋間の収縮期雑音とⅣ音を認め、心エコーで非対称性中隔肥厚や僧帽弁の収縮期前方運動(SAM)がみられると考えられ、閉塞性肥大型心筋症です。左室流出路狭窄による雑音は、前負荷の減少(立位、Valsalva手技、硝酸薬)や心収縮力増加・頻脈で増強します。ジソピラミドやシベンゾリンなどのⅠa群抗不整脈薬は陰性変力作用で流出路圧較差を軽減するため、雑音は減弱します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成