57 歳の女性。口腔内の白色病変を主訴に来院した。約2 週間前から、のどの違和感…
57 歳の女性。口腔内の白色病変を主訴に来院した。約2 週間前から、のどの違和感を自覚していたがそのままにしていた。昨日、鏡で見ると口蓋垂の周辺が点状に白くなっていることに気付いた。ざらざらとする違和感はあるが咽頭痛や発熱はない。約2 年前から気管支喘息のため気管支拡張薬と副腎皮質ステロイド吸入薬を使用している。身長157 cm、体重63 kg。尿所見と血液所見とに異常を認めない。白色病変を綿棒でこすると、剝離可能である。口腔内の写真(別冊No. 13)を別に示す。最も考えられるのはどれか。
- ⑴ 白斑症白斑症は擦過しても剥離しない白色病変で、前癌病変とされます。
- ⑵ 扁平苔癬扁平苔癬はレース状の白色線条で、擦っても剥離しません。
- ⑶ 単純ヘルペス単純ヘルペスは小水疱とびらんを形成し、痛みを伴います。
- ⑷ アフタ性口内炎アフタ性口内炎は有痛性の小潰瘍で、剥離可能な白苔ではありません。
- ⑸ 口腔カンジダ症吸入ステロイド使用者の剥離可能な白色病変で、口腔カンジダ症です。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑸です。気管支喘息に対して吸入ステロイド薬を使用している患者で、口蓋垂周辺に点状の白色病変が出現し、綿棒でこすると剥離できることから、口腔カンジダ症(偽膜性カンジダ症)と考えられます。吸入ステロイドが口腔内や咽頭に付着して局所の免疫が低下することが原因で、吸入後のうがいで予防します。治療は抗真菌薬(ミコナゾールなど)を用います。白斑症は擦っても剥離しない点が鑑別に重要です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成