35 歳の女性。結節性甲状腺腫を指摘され来院した。身長164 cm、体重45 k…
35 歳の女性。結節性甲状腺腫を指摘され来院した。身長164 cm、体重45 kg。脈拍72/分、整。血圧120/76mmHg。甲状腺左葉に小結節を触知し、圧痛を認めない。血液生化学所見:TSH 2.8 μU/mL(基準0.2~4.0)、FT33.4 pg/mL(基準2.3~4.3)、FT41.4 ng/dL(基準0.8~2.2)。免疫血清学所見:抗サイログロブリン抗体0.3 U/mL 未満(基準0.3 以下)、抗甲状腺ペルオキシダーゼ〈TPO〉抗体0.3 U/mL 未満(基準0.3 以下)。頸部超音波像(別冊No. 11)を別に示す。頸部病変で正しいのはどれか。
- ⑴ 病変部位が移動する。病変が移動するのは嚥下時の甲状腺全体の動きで、診断的意義のある所見ではありません。
- ⑵ 頸部リンパ節転移を生じない。甲状腺乳頭癌は頸部リンパ節転移を起こしやすいです。
- ⑶ 高カルシウム血症を合併する。高カルシウム血症は副甲状腺腫瘍の所見で、甲状腺腫瘍では通常みられません。
- ⑷ 穿刺吸引細胞診が必要である。甲状腺結節の良悪性の鑑別には穿刺吸引細胞診が必要です。
- ⑸ A 群β 溶連菌感染が原因となる。A群溶連菌感染は甲状腺腫瘍の原因にはなりません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。若年女性の甲状腺結節で、甲状腺機能は正常、自己抗体は陰性です。頸部超音波像は形状不整、境界不明瞭、内部低エコー、微細石灰化などの悪性を示唆する所見を示していると考えられ、甲状腺乳頭癌が疑われます。甲状腺結節の良悪性の鑑別には穿刺吸引細胞診が必要です。乳頭癌は頸部リンパ節転移を起こしやすいですが、予後は良好です。副甲状腺腺腫では高カルシウム血症を来します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成