83 歳の男性。発熱のため入院中である。短腸症候群で自宅近くの医療機関で中心静脈…
83 歳の男性。発熱のため入院中である。短腸症候群で自宅近くの医療機関で中心静脈栄養を行われていた。39 ℃の発熱を認めたため、中心静脈カテーテルは抜去した。血液培養の結果はまだ出ておらず、抗菌薬の全身投与を2 日間行っても、発熱は続いている。本日から両眼で飛蚊症を訴えている。両眼の眼底写真(別冊No. 10)を別に示す。最も考えられるのはどれか。
- ⑴ Behçet 病Behçet病は若年者に多く、口腔内アフタや陰部潰瘍を伴います。
- ⑵ 高血圧網膜症高血圧網膜症は発熱や飛蚊症を伴う急性経過とは合いません。
- ⑶ 真菌性眼内炎中心静脈カテーテル関連のカンジダ血症から真菌性眼内炎を生じたと考えられます。
- ⑷ サルコイドーシスサルコイドーシスのぶどう膜炎は慢性経過で、本例の急性の経過とは異なります。
- ⑸ サイトメガロウイルス網膜炎サイトメガロウイルス網膜炎はAIDSなど高度の免疫不全で生じます。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶です。中心静脈栄養中の高齢者がカテーテル関連血流感染症を起こし、抗菌薬投与でも発熱が続き、両眼の飛蚊症が出現しています。中心静脈カテーテル留置はカンジダ血症の重要な危険因子で、血行性に眼内に播種して真菌性眼内炎を起こします。眼底では網膜や硝子体に白色の綿球状病変がみられるのが典型的です。カンジダ血症では全例で眼科診察が推奨され、抗真菌薬の全身投与や硝子体手術を行います。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成