56 歳の女性。血痰と咳嗽を主訴に来院した。1 年前から咳嗽と喀痰とを自覚してい…
56 歳の女性。血痰と咳嗽を主訴に来院した。1 年前から咳嗽と喀痰とを自覚していた。以前から胸部単純CT で中葉舌区の小結節影と気管支拡張所見を指摘されており、外来で定期的にフォローアップされていた。これまで喀痰抗酸菌培養でMycobacterium avium が2 回分離されている。3 日前から血痰が出たため受診した。今回の喀痰抗酸菌染色は陽性だったが、結核菌PCR 検査は陰性であった。胸部単純CT を撮影したところ病状が悪化しており、薬物治療を開始する方針となった。リファンピシン、エタンブトールとともに使用する薬剤はどれか。
- ⑴ ST 合剤ST合剤はニューモシスチス肺炎の治療・予防などに用い、MAC症の標準治療ではありません。
- ⑵ イソニアジドイソニアジドは結核の治療薬で、MACには効果が乏しいです。
- ⑶ ピラジナミドピラジナミドは結核菌に有効ですが、MACには無効です。
- ⑷ アムホテリシンBアムホテリシンBは抗真菌薬で、抗酸菌症には用いません。
- ⑸ クラリスロマイシンクラリスロマイシンはMAC症治療のキードラッグで、RFP・EBと併用します。
解説
正解は⑸です。中葉舌区の小結節影と気管支拡張を示す中高年女性で、喀痰からMycobacterium aviumが2回分離されており、肺Mycobacterium avium complex(MAC)症と診断されます。病状が悪化し治療適応となった場合の標準治療は、クラリスロマイシン(またはアジスロマイシン)、リファンピシン、エタンブトールの3剤併用療法です。マクロライドがキードラッグで、単剤投与は耐性化を招くため避けます。重症例ではアミカシンを追加することがあります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成