78 歳の男性。意識障害のため救急車で搬入された。独居。外気温35 ℃の中で、自…
78 歳の男性。意識障害のため救急車で搬入された。独居。外気温35 ℃の中で、自宅居室で動けなくなっているところを町内会の迎えに来た知人に発見された。居室に設置してあるエアコンの電源は入っておらず、室内は高温であったという。意識レベルはJCSⅠ-2。身長158 cm、体重70 kg。体温37.2 ℃。心拍数108/分、整。血圧96/54mmHg。呼吸数18/分。皮膚、口腔粘膜、舌および腋窩は乾燥している。頸静脈の虚脱を認める。輸液とクーリングにより症状は軽快し、2 日後に退院予定となった。退院時の指導で適切なのはどれか。
- ⑴ 「お風呂のお湯は42 ℃以上にしましょう」42℃以上の熱い湯は脱水や血圧変動を招き、高齢者には勧められません。
- ⑵ 「1 日5 リットルを目標に水分を摂りましょう」1日5Lは過剰で、低ナトリウム血症や心負荷の危険があります。
- ⑶ 「息が上がる程度の速さのジョギングを始めましょう」息が上がるほどの運動は高齢者には負担が大きく、暑熱環境では危険です。
- ⑷ 「身体に扇風機の風が直接あたるようにして就寝しましょう」扇風機の風を直接当てて就寝すると、脱水や体温調節の乱れを招くおそれがあります。
- ⑸ 「室内の気温が28 ℃を超えないようにエアコンで調整しましょう」室温を28℃以下に保つようエアコンを使用することが熱中症予防に重要です。
解説
正解は⑸です。高温環境の室内で動けなくなり、意識障害、頻脈、低血圧、皮膚と粘膜の乾燥を認めたことから、脱水を伴う熱中症(Ⅱ度以上)と考えられます。独居の高齢者は暑さや口渇を感じにくく、エアコンを使用しないことが熱中症の大きな危険因子です。再発予防として、室温を28℃以下に保つようエアコンを適切に使用すること、こまめな水分と塩分の補給、見守り体制の確保を指導することが重要です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成