ソクマル医師

68 歳の女性。呼吸困難を主訴に救急車で搬入された。自宅トイレに行った際に呼吸困…

68 歳の女性。呼吸困難を主訴に救急車で搬入された。自宅トイレに行った際に呼吸困難を訴え倒れたため家族が救急車を要請した。1 か月前に乳癌と診断され、手術を予定していた。意識レベルはJCSⅠ-3。身長158 cm、体重72 kg。体温36.3 ℃。心拍数118/分、整。血圧78/46mmHg。呼吸数36/分。SpO2 90 %(リザーバー付マスク10 L/分 酸素投与下)。心音はⅡ音の亢進を認めるが、呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。心エコー検査で左心の圧排像を認めたため、体幹部と下肢の造影CT を撮影したところ肺動脈の広範囲および下肢深部静脈に血栓を認めた。ヘパリン5000 単位の静脈投与を行った。その後ストレッチャーから病室のベッドに移動させた際に、意識レベルが低下し頸動脈を触知しなくなった。直ちに心肺蘇生を開始したが心拍が再開しない。次に考慮すべき治療はどれか。

解説

正解は⑸です。乳癌患者に生じたショックを伴う広範な肺血栓塞栓症で、深部静脈血栓症も認めます。ヘパリン投与後、体位変換を契機に心停止となり、心肺蘇生でも心拍が再開していません。これは残存血栓の遊離などにより閉塞が進行したものと考えられます。心肺蘇生に反応しない急性肺血栓塞栓症では、ECMO(VA-ECMO、PCPS)を装着して循環と酸素化を維持し、そのうえで血栓溶解療法やカテーテル治療、外科的血栓摘除術を行います。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成

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