9 歳の男児。陰毛発生を主訴に母親に連れられて来院した。6 歳ごろからクラスで一…
9 歳の男児。陰毛発生を主訴に母親に連れられて来院した。6 歳ごろからクラスで一番背が高かった。1 年前から陰毛が発生し、最近、腋毛もみられるようになったため、母親が不安になり来院した。既往歴に特記すべきことはない。意識は清明。身長150 cm(+3.6 SD)、体重52 kg。肥満度30 %。体温36.8 ℃。血圧116/78mmHg。口腔内に異常を認めない。甲状腺と頸部リンパ節の腫大を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。皮疹を認めない。頭部単純MRI で視床下部から鞍上部にかけて径3 cm の腫瘤を認める。この児に認めるのはどれか。
- ⑴ 多汗多汗は甲状腺機能亢進症などでみられ、思春期早発症の特徴ではありません。
- ⑵ 頻脈頻脈は思春期早発症の特徴的な所見ではありません。
- ⑶ 小陰茎アンドロゲンの作用で陰茎はむしろ増大します。
- ⑷ 女性化乳房女性化乳房は思春期早発症の男児で特徴的な所見ではありません。
- ⑸ 精巣容積増大ゴナドトロピン分泌の亢進で精巣が刺激され、精巣容積が増大します。
解説
正解は⑸です。9歳の男児で、陰毛と腋毛の発生、高身長と成長の加速がみられ、頭部MRIで視床下部から鞍上部に腫瘤を認めることから、視床下部腫瘤による思春期早発症と考えられます。視床下部過誤腫などによる中枢性(ゴナドトロピン依存性)思春期早発症ではLHとFSHの分泌が亢進し、精巣が刺激されて精巣容積が増大します。精巣容積4mL以上は男児の思春期開始の指標とされます。治療にはGnRHアナログが用いられます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成