ソクマル医師

次に検査所見を示す。血液所見:赤血球436 万、Hb 13.0 g/dL、Ht …

84 歳の男性。呼吸困難を主訴に来院した。現病歴 : 昨日から呼吸困難があり、本日38.8 ℃の発熱もあり受診した。普段は平地を通常の速度で歩けるが、現在は室内の移動で呼吸困難がある。咳嗽も新たに出現し、喀痰は黄色である。既往歴 : 慢性閉塞性肺疾患〈COPD〉を5 年前に診断されて副腎皮質ステロイド/長時間作用性β2 刺激薬/長時間作用性抗コリン薬の合剤を吸入し、高血圧症で降圧薬を内服している。生活歴 : 喫煙は20 歳から60 歳まで60 本/日、以後は禁煙している。飲酒歴はない。元会社員。現 症 : 意識は清明。身長168 cm、体重60 kg。体温38.8 ℃。脈拍132/分、整。血圧146/78mmHg。呼吸数28/分。SpO2 86 %(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。咽頭に発赤や白苔を認めない。心音に異常を認めない。呼吸音は両側wheezes があり、呼気が延長している。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢は浮腫を認めない。頸部の写真(別冊No. 5A)と模式図(別冊No. 5B)を別に示す。
次に検査所見を示す。血液所見:赤血球436 万、Hb 13.0 g/dL、Ht 39 %、白血球16,460(好中球89 %、好酸球0 %、好塩基球0 %、単球6 %、リンパ球5 %)、血小板33 万、PT-INR 1.0(基準0.9~1.1)、D ダイマー0.5 μg/mL(基準1.0 以下)。血液生化学所見:総蛋白5.7 g/dL、アルブミン3.3 g/dL、総ビリルビン2.1 mg/dL、直接ビリルビン0.6 mg/dL、AST 27 U/L、ALT 16 U/L、LD 219 U/L(基準124~222)、A L P 1 1 2 U/ L(基準3 8 ~1 1 3 )、 γ - G T 2 2 U/ L(基準1 3 ~6 4 )、C K 3 9U/L(基準59~248)、尿素窒素28 mg/dL、クレアチニン0.6 mg/dL、尿酸6.9mg/dL、血糖177 mg/dL、HbA1c 5.6 %(基準4.9~6.0)、Na 138 mEq/L、K 3.7mEq/L、Cl 100 mEq/L。CRP 10.1 mg/dL。動脈血ガス分析(room air):pH 7.45、PaCO2 38 Torr、PaO2 54 Torr、HCO3⁻24 mEq/L。心電図は洞性頻脈でST-T 変化を認めない。胸部エックス線写真(別冊No. 6)を別に示す。入院することとなり、SpO2 92 % 以上となるように酸素投与が開始された。血液培養2 セットと喀痰培養検体を提出した。現時点の治療で適切でないのはどれか。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。

解説

正解は⑷です。COPD患者が発熱、膿性痰、呼吸困難の増悪を来しており、好中球優位の白血球増多とCRP上昇から、細菌感染を契機としたCOPD増悪(肺炎の合併を含む)と考えられます。COPD増悪の治療は酸素投与、短時間作用型気管支拡張薬の吸入、全身性ステロイド、細菌感染が疑われれば抗菌薬が基本で、脱水があれば輸液も行います。Dダイマーは正常で肺血栓塞栓症は否定的であり、治療目的のヘパリン持続点滴は適切ではないと判断できます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成

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