4 歳の女児。皮疹、両足関節の痛み及び腹痛を主訴に父親に連れられて来院した。1 …
4 歳の女児。皮疹、両足関節の痛み及び腹痛を主訴に父親に連れられて来院した。1 週間前に発熱と咽頭痛が出現し、自宅近くの診療所を受診した。2 日前から発疹と両足関節の痛みが出現した。今朝から腹痛を訴えているため受診した。体温36.9 ℃。脈拍68/分、整。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。 咽頭に発赤を認めない。扁桃に腫大を認めない。頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、臍周囲に圧痛を認める。尿所見:蛋白(-)、糖(-)、潜血(-)、沈渣に白血球を認めない。血液所見:赤血球466 万、Hb 12.1 g/dL、Ht 39 %、白血球8,900(好中球62 %、単球8 %、リンパ球30 %)、血小板37 万、PT-INR 1.0(基準0.9~1.1)、APTT 29.0 秒(基準対照32.2)。CRP 0.2 mg/dL。下腿の写真(別冊No. 32)を別に示す。この患児で注意すべき合併症はどれか。2 つ選べ。
- ⑴ 腎炎IgA血管炎では紫斑病性腎炎が重要な合併症で、尿検査の経過観察が必要です。
- ⑵ 冠動脈瘤冠動脈瘤は川崎病の合併症で、IgA血管炎では通常みられません。
- ⑶ 腸重積症腸管壁の浮腫や血腫が先進部となり、腸重積症を合併することがあります。
- ⑷ 間質性肺炎間質性肺炎はIgA血管炎の典型的合併症ではありません。
- ⑸ 大動脈弁閉鎖不全大動脈弁閉鎖不全は高安動脈炎などでみられ、IgA血管炎の合併症ではありません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴と⑶です。先行する上気道感染の後に、下腿の触知可能な紫斑、関節痛、腹痛が出現し、血小板数と凝固能が正常であることから、IgA血管炎(Henoch-Schönlein紫斑病)と考えられます。主な合併症は腎炎(紫斑病性腎炎)で、発症後数週〜数か月以内に血尿や蛋白尿として現れるため、尿検査で経過を追う必要があります。また腸管壁の浮腫や出血が先進部となり、腸重積症を起こすことがある点も注意すべきです。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成