5 歳の男児。顔面頰部の境界明瞭な皮疹があり、母親に連れられて受診した。診察所見…
5 歳の男児。顔面頰部の境界明瞭な皮疹があり、母親に連れられて受診した。診察所見から伝染性紅斑と診断した。母親は34 歳の妊婦。妊娠10 週。母親は無症状だが、胎児への影響について質問された。母親には伝染性紅斑の既往はない。母親への胎児に関する説明で正しいのはどれか。
- ⑴ 「影響はありません」胎児貧血や胎児水腫を起こしうるため、影響がないとは説明できません。
- ⑵ 「人工妊娠中絶が必要です」胎児感染は必ずしも重症化せず、人工妊娠中絶が必要とはいえません。
- ⑶ 「白内障のリスクがあります」白内障は先天性風疹症候群の特徴で、パルボウイルスB19ではみられません。
- ⑷ 「胎児貧血のリスクがあります」赤芽球系前駆細胞への感染で胎児貧血や胎児水腫を起こすリスクがあります。
- ⑸ 「無侵襲的出生前遺伝学的検査〈NIPT〉を行いましょう」NIPTは染色体異常の検査で、感染症の胎児への影響は評価できません。
解説
正解は⑷です。伝染性紅斑はヒトパルボウイルスB19による感染症で、母体に既往がない場合は妊娠中に感染する可能性があります。パルボウイルスB19は赤芽球系前駆細胞に感染して造血を抑制するため、胎児感染では重症の胎児貧血や胎児水腫、胎児死亡を起こすことがあります。特に妊娠20週ごろまでの感染で胎児への影響が大きいとされます。ただし胎児感染の多くは無症状で、ただちに中絶が必要になるわけではなく、超音波で経過を観察します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成