78 歳の女性。労作時の息切れを主訴に来院した。6 か月前から咳嗽を自覚し、1 …
78 歳の女性。労作時の息切れを主訴に来院した。6 か月前から咳嗽を自覚し、1 か月前から労作時の息切れが出現した。体温36.5 ℃。脈拍92/分、整。血圧136/90mmHg。呼吸数20/分。SpO2 92 %(room air)。両側下肺野にfine cracklesを聴取する。血液所見:赤血球467 万、Hb 13.8 g/dL、Ht 41 %、白血球3,800、血小板32 万。CRP 0.1 mg/dL。胸部エックス線写真(別冊No. 21A)、胸部単純CT(別冊No. 21B)及び気管支肺胞洗浄液の写真(別冊No. 21C)を別に示す。考えられる疾患はどれか。
- ⑴ 肺胞蛋白症白濁したBAL液とcrazy-paving patternが特徴で、本例に一致します。
- ⑵ 特発性肺線維症特発性肺線維症ではCTで蜂巣肺がみられ、BAL液が白濁することはありません。
- ⑶ サルコイドーシスサルコイドーシスでは両側肺門リンパ節腫脹が典型で、BAL液でCD4/8比が上昇します。
- ⑷ ニューモシスチス肺炎ニューモシスチス肺炎は免疫不全者に急性に発症し、発熱や低酸素が強く進行します。
- ⑸ びまん性汎細気管支炎びまん性汎細気管支炎は慢性副鼻腔炎を伴い、CTで小葉中心性粒状影を示します。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴です。緩徐に進行する咳嗽と労作時息切れで、炎症所見は乏しく、気管支肺胞洗浄液が白濁した米のとぎ汁様となるのが肺胞蛋白症の特徴です。CTでは小葉間隔壁の肥厚を伴うすりガラス影(crazy-paving pattern)が典型的です。多くは抗GM-CSF自己抗体による自己免疫性で、肺胞マクロファージによるサーファクタントの処理障害が原因です。治療として全肺洗浄やGM-CSF吸入療法が行われます。洗浄液はPAS染色陽性の物質を含みます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成