32 歳の女性(1 妊0 産)。月経量の減少を主訴に来院した。6 か月前から月経…
32 歳の女性(1 妊0 産)。月経量の減少を主訴に来院した。6 か月前から月経量と持続日数が減少している。月経周期は28 日型、整、持続1 日間。8 か月前に妊娠10 週で流産手術を受けたが、手術後しばらく腹痛と発熱が持続し、保存的治療で軽快した。流産以前の月経持続日数は6 日間であった。身長158 cm、体重62 kg。体温36.2 ℃。脈拍72/分、整。血圧120/76mmHg。内診で子宮は正常大で、両側付属器は触知しない。血液所見:赤血球440 万、Hb 12.2 g/dL、Ht 44 %、白血球6,600、血小板20 万。血液生化学所見(月経7 日目):LH 6.2 mIU/mL(基準1.8~7.6)、FSH 7.8 mIU/mL(基準5.2~14.4)、プロラクチン〈PRL〉6.6ng/mL(基準15 以下)、エストラジオール120 pg/mL(基準11~230)、テストステロン42 ng/dL(基準30~90)。経腟超音波像(別冊No. 20)を別に示す。診断のために必要な検査はどれか。
- ⑴ 子宮鏡検査子宮腔内の癒着を直接観察でき、Asherman症候群の診断と治療に有用です。
- ⑵ 腹腔鏡検査腹腔鏡では子宮の外側しか観察できず、子宮腔内の癒着は確認できません。
- ⑶ 腹部単純CTCTでは子宮腔内の癒着を評価できません。
- ⑷ 頭部単純MRIプロラクチンやゴナドトロピンは正常で、下垂体病変を疑う所見はありません。
- ⑸ コルポスコピーコルポスコピーは子宮頸部の観察に用い、子宮腔内の病変は評価できません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴です。流産手術の後に感染(子宮内膜炎)を起こし、その後から月経量と持続日数が著明に減少しています。ホルモン値は正常で排卵性の周期も保たれており、子宮内膜の損傷によって子宮腔内に癒着が生じたAsherman症候群が考えられます。経腟超音波では内膜が薄く不整にみえることがあります。診断には子宮鏡検査で子宮腔内の癒着を直接確認することが最も有用で、子宮鏡下に癒着剥離術を行うこともできます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成