2 歳の女児。早産児の定期外来のため母親に連れられて来院した。出生歴は、在胎29…
2 歳の女児。早産児の定期外来のため母親に連れられて来院した。出生歴は、在胎29 週、体重1,020 g、Apgar スコアは7 点(1 分)、8 点(5 分)で出生した。NICU に約4 か月間入院した。入院中に光線療法を2 日間行った。退院後は外来で定期的に経過観察されており、独歩がまだできない。意識は清明。身長82 cm、体重10.5 kg。体温37.1 ℃。脈拍112/分、整。呼吸数26/分。SpO2 98 %(roomair)。頭囲の拡大は認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。皮膚に異常を認めない。下肢に筋緊張と腱反射の亢進を認め、尖足位である。Babinski 徴候は陽性である。頭部単純MRI のT2 強調像(別冊No. 19)を別に示す。最も考えられるのはどれか。
- ⑴ 脳性麻痺早産児のPVLによる下肢優位の痙性両麻痺は、脳性麻痺の典型的な病型です。
- ⑵ Chiari 奇形Chiari奇形は小脳扁桃の下垂で、水頭症や脊髄空洞症を伴い、本例の経過とは異なります。
- ⑶ 結節性硬化症結節性硬化症では白斑やてんかんがみられますが、本例には皮膚の異常がありません。
- ⑷ 脊髄小脳変性症脊髄小脳変性症は小脳失調を主とする進行性疾患で、痙性両麻痺とは異なります。
- ⑸ 先天性筋ジストロフィー先天性筋ジストロフィーは筋緊張低下と腱反射低下を示し、本例とは逆です。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴です。在胎29週・出生体重1,020gの極低出生体重児で、2歳になっても独歩ができず、下肢優位の筋緊張亢進、腱反射亢進、尖足、Babinski徴候陽性という痙性両麻痺を呈しています。早産児では脳室周囲白質軟化症(PVL)が生じやすく、下肢を支配する錐体路が側脳室周囲を通るため、下肢優位の痙性麻痺となります。MRIでは側脳室周囲の白質の高信号や白質量減少、側脳室の変形がみられます。これらから脳性麻痺と考えられます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成