60 歳の男性。白血球増多を主訴に来院した。健康診断で白血球数増多を指摘され、紹…
60 歳の男性。白血球増多を主訴に来院した。健康診断で白血球数増多を指摘され、紹介受診した。自覚症状はない。体温36.3 ℃。眼瞼結膜に貧血を認めず、体表リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝を触知しない。左肋骨弓下に脾を4 cm 触知する。血液所見:赤血球480 万、Hb 14.4 g/dL、Ht 46 %、白血球31,200(骨髄球5 %、後骨髄球1 %、桿状核好中球2 %、分葉核好中球54 %、好酸球5 %、好塩基球7 %、単球6 %、リンパ球20 %)、血小板62 万。血液生化学所見:総蛋白7.0 g/dL、アルブミン4.1 g/dL、IgG 1,041 mg/dL(基準861~1,747)、IgA 297 mg/dL(基準93~393)、IgM80 mg/dL(基準33~183)、総ビリルビン0.4 mg/dL、AST 23 U/L、ALT 18 U/L、LD 445 U/L(基準124~222)、ALP 74 U/L(基準38~113)、尿素窒素21 mg/dL、クレアチニン0.8 mg/dL、尿酸5.8 mg/dL、血糖94 mg/dL、Ca 9.5 mg/dL。骨髄塗抹Wright-Giemsa 染色標本(別冊No. 11)を別に示す。次に行うのはどれか。
- ⑴ 経過観察慢性骨髄性白血病は放置すると移行期・急性転化へ進むため、経過観察は不適切です。
- ⑵ 同種骨髄移植同種移植はTKI抵抗性や急性転化例に限られ、慢性期の初回治療ではありません。
- ⑶ 殺細胞性抗癌薬投与殺細胞性抗癌薬はTKI登場後、慢性期の標準治療ではありません。
- ⑷ チロシンキナーゼ阻害薬投与BCR::ABL1のチロシンキナーゼを阻害する薬剤が慢性期の第一選択です。
- ⑸ 免疫チェックポイント阻害薬投与免疫チェックポイント阻害薬は慢性骨髄性白血病の治療には用いません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。無症状の中高年男性で、白血球増多に幼若顆粒球(骨髄球・後骨髄球)の出現と好塩基球増多、血小板増多、脾腫を伴っており、慢性骨髄性白血病の慢性期が考えられます。骨髄は過形成で、各成熟段階の顆粒球系細胞が増加します。BCR::ABL1融合遺伝子(Philadelphia染色体)を確認したうえで、イマチニブ、ダサチニブ、ニロチニブなどのチロシンキナーゼ阻害薬を投与するのが標準治療で、多くの例で長期生存が得られます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成