65 歳の男性。胃癌術後で入院中である。手術後から経口摂取が困難なため、右内頸静…
65 歳の男性。胃癌術後で入院中である。手術後から経口摂取が困難なため、右内頸静脈に中心静脈カテーテルを留置して中心静脈栄養を行っている。術後12 日目に発熱を認めた。発熱の他に新たな症状はない。意識は清明。体温38.1 ℃。脈拍100/分、整。血圧124/60mmHg。呼吸数18/分。SpO2 97 %(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。中心静脈カテーテル刺入部に異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。手術創の表面に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、圧痛を認めない。肋骨脊柱角に叩打痛を認めない。手指や足趾に異常所見を認めない。全身状態は安定しており、胸腹部単純CT で発熱の原因精査を行ったが、熱源は判明しなかった。血液培養2 セットを採取したところ、翌日2 セットともに陽性となった。血液培養ボトル内容のGram 染色標本(別冊No. 7)を別に示す。抗菌薬を投与することにしたが、その前に行うべき対応はどれか。
- ⑴ 胸腹部造影CT単純CTで熱源は見つからず、感染源としてカテーテルが疑われるため、まず抜去が優先されます。
- ⑵ 経食道心エコー検査心内膜炎の評価は必要に応じ行いますが、抗菌薬投与前にまず行う対応ではありません。
- ⑶ 尿道カテーテル留置尿路感染を示す所見はなく、尿道カテーテル留置はむしろ新たな感染源となります。
- ⑷ 血中β-D-グルカン測定血液培養で既に真菌が検出されており、β-D-グルカン測定は治療開始を遅らせる理由になりません。
- ⑸ 中心静脈カテーテル抜去カテーテル関連血流感染、特にカンジダ血症では感染源のカテーテル抜去が必須です。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑸です。中心静脈栄養中の術後患者で、他に熱源がなく、血液培養2セットが陽性となっていることから、カテーテル関連血流感染症と考えられます。高カロリー輸液中は特にカンジダ血症が多く、Gram染色で酵母様真菌が確認されることが典型的です。カテーテル関連血流感染、とりわけカンジダ血症ではカテーテルを抜去して感染源を除去することが治療の基本で、抗真菌薬投与と併せて早期に行います。眼内炎の検索のため眼科診察も行います。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成