35 歳の女性。血圧高値を主訴に来院した。33 歳の時に会社の健康診断で血圧高値…
35 歳の女性。血圧高値を主訴に来院した。33 歳の時に会社の健康診断で血圧高値を指摘されているが、受診していなかった。血圧計を購入して自宅で血圧を測定すると、収縮期血圧が150~160mmHg と高い状態が続くため受診した。発作的な動悸や発汗はなく、血圧の急激な変動もない。体重の増減はない。家族歴に特記すべきことはない。身長160 cm、体重54 kg。脈拍76/分、整。血圧158/96mmHg。満月様顔貌はなく、甲状腺は触知しない。腹部は平坦、軟で、臍周囲に血管雑音を聴取する。四肢末梢や体幹に皮膚線条は認めない。尿所見:比重1.014、蛋白(-)、糖(-)。血液所見:Hb 11.6 g/dL、Ht 35 %、白血球6,400、血小板20 万。血液生化学所見:クレアチニン1.0 mg/dL、血糖90 mg/dL、HbA1c 5.4 %(基準4.9~6.0)、Na 143 mEq/L、K 3.0 mEq/L、Cl 101 mEq/L。腹部超音波検査で右腎の萎縮を認める。最も考えられる診断はどれか。
- ⑴ 褐色細胞腫褐色細胞腫は発作性の動悸・発汗や血圧変動を伴いますが、本例にはありません。
- ⑵ Cushing 症候群満月様顔貌や皮膚線条などのCushing徴候がみられず、否定的です。
- ⑶ 甲状腺機能亢進症甲状腺腫がなく脈拍も76/分で、甲状腺機能亢進症の所見はありません。
- ⑷ 腎血管性高血圧症腹部血管雑音、片側腎萎縮、低K血症がそろい、腎血管性高血圧症が考えられます。
- ⑸ 原発性アルドステロン症低K血症はありますが、腹部血管雑音と片側腎萎縮は説明できません。
解説
正解は⑷です。若年女性の高血圧で、臍周囲の血管雑音、右腎の萎縮、低カリウム血症(K 3.0mEq/L)がみられます。腎動脈狭窄により患側腎の灌流が低下してレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系が亢進し、二次性アルドステロン症として低K血症を生じたと考えられます。若年女性では線維筋性異形成が主な原因です。診断には腎動脈ドプラ超音波、CTアンギオ、MRアンギオを用い、血漿レニン活性は高値になります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp260424-01.html)を加工して作成