73 歳の女性。左手関節痛を主訴に来院した。2 時間前に自宅の玄関で転倒し、左手…
73 歳の女性。左手関節痛を主訴に来院した。2 時間前に自宅の玄関で転倒し、左手をついた際に痛みが出現した。左手関節に腫脹と圧痛を認める。左母指と示指の掌側にしびれと知覚鈍麻を認める。左手関節のエックス線写真(別冊No. 1)を別に示す。障害されている神経はどれか。
- ⑴ 筋皮神経筋皮神経は上腕二頭筋と前腕外側の感覚を支配し、手指の感覚には関与しません。
- ⑵ 後骨間神経後骨間神経は手指の伸筋を支配する運動枝で、感覚障害は生じません。
- ⑶ 尺骨神経尺骨神経は小指と環指の尺側の感覚を支配し、母指と示指は支配しません。
- ⑷ 正中神経母指から示指の掌側の感覚は正中神経の支配で、橈骨遠位端骨折に合併しやすい神経障害です。
- ⑸ 橈骨神経橈骨神経(浅枝)は手背の橈側の感覚を支配し、掌側の感覚障害は説明できません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。高齢女性が転倒して手をついた後の手関節痛と腫脹で、エックス線写真は本文から確認できませんが、橈骨遠位端骨折(Colles骨折など)が想定されます。母指と示指の掌側のしびれと知覚鈍麻は正中神経の支配領域に一致し、骨折による手根管部での正中神経の圧迫や損傷が考えられます。橈骨遠位端骨折では正中神経障害(急性手根管症候群)の合併に注意が必要で、高度な場合は早期の整復や手根管開放を検討します。骨粗鬆症の評価も重要です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成