38 歳の経産婦(4 妊2 産)。妊娠28 週で周産期管理を目的に自宅近くの医療…
38 歳の経産婦(4 妊2 産)。妊娠28 週で周産期管理を目的に自宅近くの医療機関から周産期母子医療センターを紹介され受診した。30 歳および33 歳時に、それぞれ骨盤位および既往帝王切開の適応で選択的帝王切開術が施行され、36 歳時に稽留流産に対し子宮内容除去術が施行されている。今回は、続発性不妊症に対し生殖補助医療が実施され、妊娠した。妊娠32 週に行われた骨盤MRI のT2 強調矢状断像(別冊No. 32)を別に示す。考えられるのはどれか。2 つ選べ。
- ⑴ 前置血管前置血管は胎児血管が内子宮口上を走行する病態で、本例の病歴と所見からはまず考えにくいです。
- ⑵ 前置胎盤帝王切開の既往と生殖補助医療は前置胎盤の危険因子で、胎盤が内子宮口を覆っていると考えられます。
- ⑶ 癒着胎盤帝王切開創部への胎盤付着により、癒着胎盤を合併していると考えられます。
- ⑷ 絨毛膜下血腫絨毛膜下血腫は妊娠初期にみられることが多く、本例で考えられる所見ではありません。
- ⑸ 常位胎盤早期剝離常位胎盤早期剥離は腹痛や性器出血、子宮の硬直を伴い、本例の経過とは合いません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵と⑶です。2回の帝王切開と子宮内容除去術の既往があり、生殖補助医療で妊娠した経産婦です。MRIは本文から確認できませんが、胎盤が内子宮口を覆い、帝王切開創部の子宮前壁に付着して子宮筋層が菲薄化・不明瞭化していることが想定され、前置胎盤と癒着胎盤が考えられます。既往帝王切開の回数が多いほど前置胎盤に癒着胎盤を合併する危険が高まり、分娩時に大量出血をきたすおそれがあるため、高次施設で計画的な帝王切開と輸血の準備を行います。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成