65 歳の男性。徐々に増大する左頸部の腫瘤と嚥下障害を主訴に来院した。喫煙は20…
65 歳の男性。徐々に増大する左頸部の腫瘤と嚥下障害を主訴に来院した。喫煙は20 本/日を30 年間。飲酒は日本酒4 合/日を45 年間。左頸部に径2.5 cm のリンパ節を触知し、同部位の穿刺吸引細胞診で扁平上皮癌と診断された。喉頭内視鏡像(別冊No. 27)を別に示す。最も考えられるのはどれか。
- ⑴ 喉頭癌喉頭癌は嗄声で発症することが多く、本例の嚥下障害とリンパ節転移の組合せでは下咽頭癌が考えやすいです。
- ⑵ 上咽頭癌上咽頭癌は耳閉感や鼻出血で発症し、EBウイルスとの関連が強い癌です。
- ⑶ 中咽頭癌中咽頭癌はHPV関連が増えており、本例の内視鏡で想定される部位とは異なります。
- ⑷ 下咽頭癌飲酒・喫煙歴、嚥下障害、頸部リンパ節転移から下咽頭癌が最も考えられます。
- ⑸ 頸部食道癌頸部食道癌も嚥下障害をきたしますが、喉頭内視鏡で評価される部位としては下咽頭癌が考えやすいです。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑷です。長期の大量飲酒と喫煙歴をもつ高齢男性が、嚥下障害と頸部リンパ節転移(扁平上皮癌)を呈しています。喉頭内視鏡像は本文から確認できませんが、梨状陥凹などの下咽頭に腫瘍が想定され、下咽頭癌が最も考えられます。下咽頭癌は飲酒と喫煙が強い危険因子で、初期症状が乏しく、頸部リンパ節転移で発見されることが多い癌です。食道癌の重複も多いため、上部消化管内視鏡による検索も行います。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成