80 歳の男性。皮疹を主訴に来院した。3 週間前から、体幹および四肢に水疱やびら…
80 歳の男性。皮疹を主訴に来院した。3 週間前から、体幹および四肢に水疱やびらんが出現し、徐々に増数、拡大してきたため受診した。皮膚生検組織のH-E染色標本(別冊No. 24)を別に示す。蛍光抗体直接法で表皮基底膜部にIgG とC3 との線状沈着を認める。食塩水処理皮膚を用いた蛍光抗体間接法で表皮側にIgG の陽性反応を認める。診断はどれか。
- ⑴ 尋常性天疱瘡尋常性天疱瘡は表皮内水疱で、蛍光抗体直接法では表皮細胞間にIgGが沈着します。
- ⑵ 水疱性類天疱瘡高齢者の表皮下水疱で、基底膜部の線状沈着と食塩水処理皮膚の表皮側反応から水疱性類天疱瘡と診断できます。
- ⑶ Hailey-Hailey 病Hailey-Hailey病は常染色体顕性遺伝の疾患で、自己抗体の沈着は認めません。
- ⑷ 後天性表皮水疱症後天性表皮水疱症ではⅦ型コラーゲンに対する抗体で、食塩水処理皮膚では真皮側に反応します。
- ⑸ 先天性表皮水疱症先天性表皮水疱症は遺伝性疾患で、自己抗体の沈着は認めません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵です。高齢者の体幹・四肢に水疱やびらんが多発し、病理は本文から確認できませんが表皮下水疱が想定され、蛍光抗体直接法で表皮基底膜部にIgGとC3の線状沈着を認めます。さらに食塩水処理皮膚を用いた蛍光抗体間接法で、自己抗体が表皮側(水疱の天井側)に反応しており、BP180などのヘミデスモソーム抗原に対する抗体を示します。これらから水疱性類天疱瘡と診断できます。後天性表皮水疱症では真皮側に反応する点が鑑別の要点です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成