70 歳の男性。労作時の息切れを主訴に来院した。2 か月前から咳嗽が持続している…
70 歳の男性。労作時の息切れを主訴に来院した。2 か月前から咳嗽が持続している。2 週間前からは労作時の息苦しさも出現してきたため受診した。体温36.4 ℃。脈拍72/分、整。血圧130/76mmHg。呼吸数18/分。SpO2 96 %(roomair)。胸部エックス線写真で右上縦隔に腫瘤陰影を認め、気管を圧排し、気管内腔の狭窄を認める。肺野に異常は認めない。胸骨右縁付近で予測される聴診所見はどれか。
- ⑴ 喘鳴気管の狭窄により乱流が生じ、高調性の連続性ラ音である喘鳴を聴取します。
- ⑵ 水泡音水泡音は肺水腫や肺炎などで気道内の分泌物によって生じる断続性ラ音で、本例には合いません。
- ⑶ 捻髪音捻髪音は間質性肺炎などで聴取される細かい断続性ラ音で、本例では肺野に異常はありません。
- ⑷ 胸膜摩擦音胸膜摩擦音は胸膜炎などで臓側・壁側胸膜がこすれて生じる音で、本例には合いません。
- ⑸ 呼吸音減弱呼吸音減弱は胸水や気胸、無気肺などで生じ、気管狭窄で典型的な所見ではありません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴です。右上縦隔の腫瘤が気管を圧排して気管内腔が狭窄しており、肺野に異常はありません。気道が狭窄すると、そこを通る気流が乱流となって高調性の連続性ラ音が生じます。中枢気道(気管)の狭窄では、胸骨付近や頸部で喘鳴(wheezes、吸気時を主体とする場合はstridor)を聴取することが予想されます。水泡音や捻髪音は肺胞・末梢気道の病変、胸膜摩擦音は胸膜炎でみられ、呼吸音減弱は胸水や気胸でみられる所見です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成