下線部のうち、診察した研修医が指導医へ報告する際に重要でないのはどれか。
48 歳の男性。健康診断で脂質異常を指摘され来院した。研修医が診察を行った。現病歴 : 2 年前から脂質異常を指摘されていたが自覚症状はなくそのままにしていた。①この1 年間で体重が5 kg 増加したこともあり受診した。既往歴 : 5 年前から高血圧症に対して治療中。生活歴 : ②妻(アレルギー性鼻炎で治療中)、長男と3 人暮らし。喫煙歴はない。③飲酒は機会飲酒。家族歴 : ④父が45 歳時に心筋梗塞で死亡。現 症 : 意識は清明。身長173 cm、体重81 kg。体温36.2 ℃。脈拍80/分、整。血圧144/98mmHg。呼吸数16/分。SpO2 98 %(room air)。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。⑤アキレス腱の肥厚を認める。検査所見 : 血液所見:赤血球489 万、Hb 14.9 g/dL、Ht 43 %、白血球8,900、血小板23 万。血液生化学所見:総蛋白7.1 g/dL、アルブミン3.8 g/dL、総ビリルビン1.1 mg/dL、AST 37 U/L、ALT 39 U/L、LD 155 U/L(基準124~222)、CK 88 U/L(基準59~248)、尿素窒素14 mg/dL、クレアチニン1.0 mg/dL、尿酸7.8 mg/dL、血糖90 mg/dL、HbA1c 5.6 %(基準4.9~6.0)、トリグリセリド185mg/dL、HDL コレステロール30 mg/dL、LDL コレステロール172 mg/dL。CRP 0.3 mg/dL。
下線部のうち、診察した研修医が指導医へ報告する際に重要でないのはどれか。
- ⑴ ①体重増加は脂質異常症の悪化や生活習慣の評価に関わる重要な情報です。
- ⑵ ②妻のアレルギー性鼻炎は患者の脂質異常症とは関係がなく、報告で重要ではない情報です。
- ⑶ ③飲酒は中性脂肪などの脂質代謝に影響するため、確認すべき情報です。
- ⑷ ④若年での心筋梗塞の家族歴は、家族性高コレステロール血症を疑う重要な情報です。
- ⑸ ⑤アキレス腱の肥厚は家族性高コレステロール血症に特徴的な身体所見です。
解説
正解は⑵です。本例は脂質異常症(LDLコレステロール172 mg/dL)の精査で、アキレス腱の肥厚と若年発症の冠動脈疾患の家族歴(父が45歳で心筋梗塞死)から家族性高コレステロール血症が疑われます。体重増加、飲酒歴、家族歴、アキレス腱肥厚はいずれも診断と治療方針に関わる重要な情報です。一方、妻のアレルギー性鼻炎は患者本人の病態とは関係がなく、遺伝的な関連もないため、指導医への報告で重要ではない情報です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成