76 歳の男性。高血糖高浸透圧症候群のため1 週間前から入院中である。本日、訪室…
76 歳の男性。高血糖高浸透圧症候群のため1 週間前から入院中である。本日、訪室した際に、呼びかけに反応がなかった。糖尿病以外の既往歴はなく、入院時の血糖は785 mg/dL であったが、大量輸液とインスリン皮下注射で改善していた。直近数日の血糖は100~150 mg/dL であった。意識レベルはJCSⅢ-100。体温36.2 ℃。心拍数108/分、整。血圧138/82mmHg。呼吸数18/分。SpO2 99 %(roomair)。瞳孔は左右対称で対光反射は正常。顔面神経麻痺を認めない。指示には従えないものの四肢を動かしており、明らかな麻痺は認めない。まず行うべき検査はどれか。
- ⑴ 血糖測定意識障害の原因として低血糖を迅速に確認・除外できるため、まず血糖測定を行います。
- ⑵ 脳波検査脳波検査は非けいれん性てんかん重積の評価に有用ですが、最初に行う検査ではありません。
- ⑶ 頭部単純CT局所神経症状がなく、まず低血糖を除外してから頭部CTを考慮します。
- ⑷ 脳脊髄液検査発熱や髄膜刺激症状はなく、脳脊髄液検査を最初に行う理由はありません。
- ⑸ 動脈血ガス分析SpO2は保たれ呼吸も安定しており、血糖測定より優先する検査ではありません。
解説
正解は⑴です。インスリン治療中の糖尿病患者に生じた意識障害で、瞳孔や顔面神経、四肢の運動に明らかな局所神経症状がなく、頻脈を伴っていることから、まず低血糖を疑います。低血糖は迅速に診断・治療できるうえ、放置すると脳に不可逆的な障害を残すため、意識障害ではまず簡易血糖測定を行うのが原則です。高血糖高浸透圧症候群の改善に伴い、インスリン必要量が減って低血糖をきたすことがあります。低血糖であればブドウ糖を静注します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成