ソクマル医師

40 歳の女性。強い呼吸困難を主訴に救急車で搬入された。2 か月前から浮腫、2 …

40 歳の女性。強い呼吸困難を主訴に救急車で搬入された。2 か月前から浮腫、2 週間前から労作時の息切れを自覚し、2 日前から夜間の起座呼吸を認めるようになったため家族が救急車を要請した。既往歴や家族歴に特記すべきことはない。数年前から健康診断を受診していない。心拍数92/分、整。血圧100/68mmHg。頸静脈の怒張を認める。心尖拍動が左方に偏位し、その部位にⅢ音と汎収縮期雑音とを聴取する。胸部にcoarse crackles を聴取する。右肋骨弓下に肝を2 cm 触知し、両側下腿前面に浮腫を認める。血液所見:赤血球385 万、Hb 12.1 g/dL、白血球4,600。血液生化学所見:総蛋白6.8 g/dL、総ビリルビン1.4 mg/dL、AST 48 U/L、ALT 56 U/L、CK 28 U/L(基準41~153)、クレアチニン0.8mg/dL、BNP 880 pg/mL(基準18.4 以下)。胸部エックス線写真(別冊No. 34)を別に示す。心エコー検査では左室拡張末期径68 mm、左室駆出率28 %、心内短絡は認めない。この患者でみられる血行動態の所見はどれか。2 つ選べ。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。

解説

正解は⑴と⑵です。左室の著明な拡大(拡張末期径68 mm)と収縮能低下(駆出率28%)、Ⅲ音、機能性僧帽弁逆流による汎収縮期雑音、起座呼吸と全身のうっ血所見から、拡張型心筋症による心不全と考えられます。左室充満圧の上昇は肺静脈圧を上げるため肺動脈楔入圧が上昇し、それが肺動脈へ伝わって平均肺動脈圧も上昇します(後毛細血管性肺高血圧)。左室流出路の圧較差や収縮性心膜炎の所見、短絡による肺血流増加は本例ではみられない所見です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成

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