66歳の女性。10年前に子宮の手術を受けている。今朝から腹痛と嘔吐があり、便もガ…
66歳の女性。10年前に子宮の手術を受けている。今朝から腹痛と嘔吐があり、便もガスも出なくなった。痛みは波がなく持続して強まっており、腹部に押すと強く痛む部分があり、押した手を離すと痛みが響く。脈拍118/分、体温37.9℃。血液検査で白血球とCK、乳酸が上昇している。造影CTで小腸の一部がねじれ、その部分の腸の壁が造影されにくい。最も適切な対応はどれか。
- ⑴ 腸の動きを強める薬を投与し、ガスが出るのを待つ。腸の血流が途絶えた状態で腸の動きを促しても改善せず、壊死や穿孔の危険が高まります。
- ⑵ 腸の血流が途絶えた腸閉塞として、緊急に開腹手術を行う。持続痛、腹膜刺激症状、乳酸の上昇、造影不良の腸管は絞扼性腸閉塞を示し、壊死の前に緊急手術が必要です。
- ⑶ 鼻から胃管を入れて減圧し、数日間は絶食で経過を見る。保存的治療は血流の保たれた単純な腸閉塞が対象で、絞扼が疑われる場合は手術を遅らせてはいけません。
- ⑷ 便秘による症状として、浣腸と下剤で排便を促す。腹膜刺激症状と造影不良の腸管があり、便秘で説明できる状態ではありません。
- ⑸ 痛みが強いので、鎮痛薬を十分に使って翌日にCTを撮り直す。痛みを抑えて様子を見る間に腸の壊死が進み、命にかかわります。
解説
腸の血流が途絶えた絞扼性腸閉塞として、緊急に開腹手術を行うのが最も適切です。開腹手術の後の癒着などで腸がねじれたり締めつけられたりすると、腸閉塞に加えて腸の血流が途絶えます。持続して強まる痛み、腹膜刺激症状、発熱、頻脈、乳酸やCKの上昇、造影CTでの腸管壁の造影不良が手がかりです。時間がたつと腸が壊死して穿孔し、敗血症に至るため、早く手術して原因を取り除き、壊死した腸を切除します。
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