57 歳の男性。1 か月前からの両側耳閉感を主訴に来院した。右鼻腔ファイバースコ…
57 歳の男性。1 か月前からの両側耳閉感を主訴に来院した。右鼻腔ファイバースコープ像(別冊No. 3A)と頭頸部造影CT(別冊No. 3B)を別に示す。組織生検の結果は扁平上皮癌であった。この疾患で正しいのはどれか。
- ⑴ 転移を伴うことは少ない。上咽頭癌はリンパ流が豊富で、初診時から頸部リンパ節転移を伴うことが多いです。
- ⑵ EB ウイルスが原因となる。上咽頭癌、特に未分化型はEBウイルスとの関連が強いことが知られています。
- ⑶ 欧米では高頻度にみられる。中国南部や東南アジアで高頻度にみられ、欧米では比較的まれです。
- ⑷ 急性中耳炎を併発しやすい。耳管咽頭口の閉塞により併発しやすいのは滲出性中耳炎で、急性中耳炎ではありません。
- ⑸ 早期癌で見つかることが多い。初期症状が乏しく、頸部リンパ節腫脹などで進行癌として見つかることが多いです。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵です。画像は本文から確認できませんが、両側の耳閉感(耳管閉塞による滲出性中耳炎)を主訴とし、鼻腔ファイバーで後方の病変が観察され扁平上皮癌と診断されていることから、上咽頭癌が考えられます。上咽頭癌はEBウイルスとの関連が強く、中国南部や東南アジアに多い腫瘍です。症状が乏しく進行してから見つかることが多く、頸部リンパ節転移を高頻度に伴います。放射線感受性が高く、化学放射線療法が治療の中心です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp250428-01.html)を加工して作成