この患者の呼吸困難で正しいのはどれか。
19 歳の女性。呼吸困難を主訴に来院した。現病歴 : 1 週間前から上気道炎症状があった。3 日前から喘鳴を伴う呼吸困難が出現したため救急外来を受診した。既往歴 : 小児期に気管支喘息。生活歴 : 喫煙歴はない。ペット飼育歴はない。常用薬はない。家族歴 : 母親と弟は気管支喘息。現 症 : 意識は清明。身長162 cm、体重56 kg。体温36.2 ℃。脈拍92/分、整。血圧100/80mmHg。呼吸数24/分。SpO2 96 %(room air)。頸静脈の怒張を認めない。心音に異常を認めない。呼吸音は両側全肺野で呼気時にwheezes を聴取する。下腿浮腫は認めない。検査所見 : 血液所見:赤血球468 万、Hb 13.9 g/dL、Ht 42 %、白血球8,300(好中球55 %、好酸球16 %、単球6 %、リンパ球23 %)、血小板22 万。血液生化学所見:総ビリルビン0.8 mg/dL、AST 20 U/L、ALT 16 U/L、LD 180 U/L(基準124~222)、尿素窒素14 mg/dL、クレアチニン0.8 mg/dL、Na 138 mEq/L、K4.0 mEq/L、Cl 98 mEq/L。胸部エックス線写真で異常を認めない。
この患者の呼吸困難で正しいのはどれか。
- ⑴ 座位で悪化する。喘息発作では座位の方が呼吸が楽になる傾向があり、座位で悪化はしません。
- ⑵ 食後に悪化する。食後に悪化するのは胃食道逆流などの場合で、喘息の特徴ではありません。
- ⑶ 夕方に悪化する。喘息は夕方ではなく、夜間から早朝に悪化しやすいです。
- ⑷ 左側臥位で悪化する。体位による悪化は喘息の特徴ではありません。
- ⑸ 夜中から明け方に悪化する。喘息は夜間から明け方に症状が悪化しやすいのが特徴です。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑸です。小児期の喘息歴と家族歴があり、上気道炎を契機に呼気時のwheezesを伴う呼吸困難が出現し、好酸球増多を認めることから、気管支喘息の増悪と考えられます。喘息の症状は夜間から早朝(明け方)に悪化しやすいという日内変動が特徴です。これは副交感神経の優位や内因性コルチゾールの低下、気道の冷却などによるとされます。座位で悪化するのではなく、起坐呼吸のように座位で楽になる傾向があります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-01.html)を加工して作成