65歳の男性。高血圧で治療中。1時間前、突然、胸から背中へ移っていく引き裂かれる…
65歳の男性。高血圧で治療中。1時間前、突然、胸から背中へ移っていく引き裂かれるような激しい痛みが生じ、救急搬送された。血圧は右上肢172/90 mmHg、左上肢128/72 mmHg。心電図で虚血性変化は認めない。診断を確定するために行う検査として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 胸部から腹部にかけての造影CTで、大動脈の内腔と壁を調べる。移動する激しい胸背部痛と血圧の左右差から大動脈解離が疑われ、造影CTで解離の範囲を確認できます。
- ⑵ スパイロメトリーを行い、肺活量と1秒量を測定して評価する。肺機能検査は慢性の呼吸器疾患の評価に使うもので、急性の胸痛の診断には用いません。
- ⑶ 上部消化管内視鏡で、食道と胃の粘膜に損傷がないか見る。痛みの性状と血圧の左右差は大動脈の病変を示しており、消化管の検査は診断を遅らせます。
- ⑷ 右季肋部に超音波を当て、胆嚢の壁と胆石の有無を確かめる。胆嚢の病変では胸から背中へ移る痛みや血圧の左右差は説明できません。
- ⑸ トレッドミルで運動負荷をかけ、心電図の変化を観察する。急性の胸痛で大動脈解離が疑われる患者に運動負荷をかけるのは危険で、診断にも役立ちません。
解説
胸部から腹部の造影CTで大動脈を調べるのが最も適切です。高血圧のある患者に、突然の引き裂かれるような痛みが胸から背中へ移り、上肢の血圧に左右差がある場合は、大動脈解離を強く疑います。造影CTで内膜の裂け目や偽腔の範囲が分かり、治療方針の決定に役立ちます。運動負荷心電図は急性の胸痛では危険で、消化管内視鏡や肺機能検査、胆嚢の超音波は所見に合いません。
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