34 歳の女性。発熱と皮疹を主訴に来院した。昨日から咽頭痛があったが、日常生活は…
34 歳の女性。発熱と皮疹を主訴に来院した。昨日から咽頭痛があったが、日常生活は普通に送っていた。本日からガタガタ震える悪寒を伴う39.6 ℃の発熱、頭痛、悪心および関節痛を認める。生来健康である。意識は清明。身長165 cm、体重60 kg。体温39.8 ℃。脈拍120/分、整。血圧90/58mmHg。呼吸数28/分。SpO2 96 %(room air)。瞳孔は左右差なく、対光反射は正常。眼球結膜に点状出血と黄染とを認める。口腔内はやや乾燥している。咽頭は発赤を認めない。頸静脈の怒張を認めない。項部硬直を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、腸雑音を聴取する。肝・脾を触知しない。両上肢手掌と下肢足底とにびまん性の出血斑を認める。入院時の血液培養からグラム陰性球菌を認めた。最も可能性の高い原因微生物はどれか。
- ⑴ Escherichia coliグラム陰性桿菌であり、グラム陰性球菌の所見と合いません。
- ⑵ Group A Streptococcusグラム陽性球菌であり、合いません。
- ⑶ Moraxella catarrhalisグラム陰性球菌ですが、中耳炎や気道感染の原因菌で、髄膜炎・敗血症はまれです。
- ⑷ Neisseria gonorrhoeaeグラム陰性双球菌ですが、播種性淋菌感染症で髄膜刺激症状は典型的ではありません。
- ⑸ Neisseria meningitidisグラム陰性双球菌で、急激な敗血症、髄膜炎、出血斑をきたし、合致します。
解説
正解は⑸です。若年成人に急激な高熱、悪寒戦慄、頭痛、項部硬直などの髄膜刺激症状、血圧低下、手掌・足底の出血斑、眼球結膜の点状出血があり、血液培養でグラム陰性球菌を認めることから、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)による侵襲性髄膜炎菌感染症(髄膜炎菌性髄膜炎・敗血症)が考えられます。急速にショックや播種性血管内凝固をきたし(Waterhouse-Friderichsen症候群)、接触者には予防内服が必要です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-01.html)を加工して作成