38 歳の初産婦(1 妊0 産)。妊娠32 週に上腹部痛のため来院した。来院前日…
38 歳の初産婦(1 妊0 産)。妊娠32 週に上腹部痛のため来院した。来院前日から頭痛、眼のちかちかする感じ(眼華閃発)、心窩部不快感、手指のこわばり、全身の浮腫および尿量減少を自覚し、本日は上腹部から右季肋部にかけての疼痛、倦怠感および悪心を訴えている。脈拍84/分、整。血圧156/102mmHg。胎児心拍数陣痛図では異常を認めない。この患者で低下していることが予測されるものはどれか。
- ⑴ LD溶血や肝障害により上昇するため、低下はしません。
- ⑵ AST肝細胞障害により上昇するため、低下はしません。
- ⑶ 血小板数HELLP症候群では血小板数が低下するのが特徴です。
- ⑷ ヘマトクリット値血管内脱水による血液濃縮で上昇しやすく、低下するとは予測されません。
- ⑸ 尿蛋白/クレアチニン比妊娠高血圧腎症では蛋白尿が増加し、比は上昇します。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶です。妊娠32週の高血圧に、頭痛、眼華閃発、上腹部から右季肋部痛、悪心がみられ、妊娠高血圧腎症の重症型であり、HELLP症候群の発症が強く疑われます。HELLP症候群は溶血(Hemolysis)、肝酵素上昇(Elevated Liver enzymes)、血小板減少(Low Platelets)を特徴とするため、血小板数が低下します。溶血によりLDは上昇し、ASTも上昇します。血管内脱水でヘマトクリット値は上昇し、尿蛋白も増加します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-01.html)を加工して作成