54 歳の女性。糖尿病の定期診察で受診している。既往歴に特記すべきことはない。専…
54 歳の女性。糖尿病の定期診察で受診している。既往歴に特記すべきことはない。専業主婦。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。51 歳で閉経。家族歴に特記すべきことはない。身長158 cm、体重80 kg。BMI 31.3。体温36.2 ℃。脈拍72/分、整。血圧126/78mmHg。呼吸数18/分。身体所見に異常を認めない。空腹時血糖は180~220 mg/dL、HbA1c は8 ~10 %(基準4.9~6.0)で推移しており、改善傾向はない。体重は2 年間で5 kg 増加した。外来担当医は血糖降下薬を推奨したが、患者は毎回「次回までに体重を必ず減らせるから、薬は始めたくない」と断っている。ただし、通院を継続する意思はある。この患者への声かけで適切でないのはどれか。
- ⑴ 「どのような治療なら実践可能だと思いますか」患者が実行できる治療を一緒に考える問いかけで、適切です。
- ⑵ 「どのようなことを治療の目標と考えていますか」患者の価値観や治療目標を確認する問いかけで、適切です。
- ⑶ 「改めて薬を始めたくない理由をお話しいただけますか」拒否の背景にある考えや不安を理解するための問いかけで、適切です。
- ⑷ 「いまの糖尿病の状態が続くと、どうなると考えていますか」病状についての患者の理解や解釈を確認する問いかけで、適切です。
- ⑸ 「薬を始めないのであれば、他の医療機関を受診していただけますか」診療の拒否に当たり、信頼関係を損ない治療中断を招くため適切ではありません。
解説
正解は⑸です。血糖コントロール不良にもかかわらず薬物療法を拒否している患者ですが、通院を継続する意思があります。このような場合は患者中心の医療の考え方に基づき、薬を始めたくない理由、治療目標、病状についての理解、実践可能な治療を尋ね、患者と共に治療方針を決めていくことが大切です。「薬を始めないのであれば他の医療機関へ」という声かけは診療を拒否するものであり、信頼関係を損ない、治療中断を招くため不適切です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-01.html)を加工して作成