73 歳の男性。発熱と頭痛を主訴に来院した。最近疲れやすく、3 か月間で3 kg…
73 歳の男性。発熱と頭痛を主訴に来院した。最近疲れやすく、3 か月間で3 kgの体重減少があった。1 か月前から微熱と頭痛が続き、5 日前から頭痛が強くなった。トイレの場所を間違える、真夜中に食事を要求するなどの異常行動に家族が気付いていたという。意識は混濁。身長168 cm、体重59 kg。体温38.2 ℃。脈拍92/分、整。血圧140/92mmHg。神経診察では項部硬直、右眼の外転障害、右顔面の運動麻痺を認める。脳脊髄液所見:外観は水様透明。初圧200mmH2O(基準70~170)、細胞数250/mm³(すべて単核球)(基準0 ~2 )、糖(定量)25 mg/dL(基準50~75)、蛋白(定量)180 mg/dL(基準15~45)、アデノシンデアミナーゼ〈ADA〉15 IU/L(基準8 以下)。頭部単純CT で脳室拡大は認めない。診断はどれか。
- ⑴ 結核性髄膜炎亜急性経過、脳神経麻痺、髄液の糖低下とADA高値は結核性髄膜炎に典型的です。
- ⑵ 重症筋無力症易疲労性の筋力低下が主体で、発熱、髄膜刺激症状や髄液異常はみられません。
- ⑶ 正常圧水頭症歩行障害、認知障害、尿失禁が特徴で、発熱や髄液細胞増多はみられません。
- ⑷ 多発性硬化症発熱や髄液の糖低下は伴わず、この臨床像とは合いません。
- ⑸ Bell 麻痺特発性の末梢性顔面神経麻痺で、発熱や意識障害、髄液異常はみられません。
解説
正解は⑴です。亜急性に進行する発熱と頭痛、体重減少、意識障害、項部硬直に加え、外転神経麻痺や顔面神経麻痺などの脳神経障害がみられ、脳脊髄液で単核球優位の細胞増多、糖の著明な低下、蛋白の上昇、ADA高値を示すことから、結核性髄膜炎が考えられます。結核性髄膜炎は脳底部に病変が強く、脳神経麻痺や水頭症をきたしやすいのが特徴です。予後不良のため、疑った段階で抗結核薬の投与を開始します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-01.html)を加工して作成