45 歳の女性。突然の胸痛のため救急車で搬入された。本日、夕食後に前胸部に強い痛…
45 歳の女性。突然の胸痛のため救急車で搬入された。本日、夕食後に前胸部に強い痛みが出現した。横になって安静にしていたが、30 分たっても症状が改善しないため家族が救急車を要請した。3 歳時に発熱と皮疹で入院した(詳細不明)。5年前から毎年、健康診断を受けていたが、異常を指摘されていない。喫煙歴と飲酒歴はない。意識は清明。身長162 cm、体重47 kg。体温36.7 ℃。心拍数96/分、整。血圧146/88mmHg。呼吸数24/分。SpO2 95 %(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。免疫血清学所見:心筋トロポニンT 迅速検査陽性。搬入時の12 誘導心電図は、下壁誘導でST 低下を認める。右冠動脈造影像(別冊No. 24)を別に示す。冠動脈病変の原因はどれか。
- ⑴ 川崎病幼児期の発熱と皮疹の既往があり、冠動脈瘤による成人期の急性冠症候群をきたします。
- ⑵ Buerger 病喫煙男性の四肢末梢動脈が主体で、冠動脈病変の原因として典型的ではありません。
- ⑶ 高安動脈炎若年女性の大動脈とその分枝の血管炎で、冠動脈入口部病変はあり得ますが既往と合いません。
- ⑷ Marfan 症候群大動脈基部の拡張や解離が主体で、本例の身体所見もなく合いません。
- ⑸ たこつぼ心筋症冠動脈に器質的狭窄を伴わない心筋症で、冠動脈病変の原因にはなりません。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑴です。若年女性の急性冠症候群で、喫煙などの動脈硬化危険因子に乏しく、幼児期に発熱と皮疹で入院した既往があることから、川崎病による冠動脈瘤とその後の狭窄・血栓閉塞が原因と考えられます。川崎病の冠動脈病変は、瘤の部分に血栓が形成されたり、瘤の出入口に狭窄が生じたりして、成人期に急性冠症候群を起こすことがあります。冠動脈造影では瘤状の拡張や石灰化が典型的です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-01.html)を加工して作成