33 歳の女性。発熱を主訴に来院した。2 週間前に2 年間滞在していたアフリカか…
33 歳の女性。発熱を主訴に来院した。2 週間前に2 年間滞在していたアフリカから帰国した。1 週間前から悪寒戦慄を伴う発熱、頭痛および悪心が出現した。1日おきに40 ℃の高熱が出るため自宅近くの診療所で解熱鎮痛薬を処方された。発熱が改善しないため再受診した。意識は清明。体温39.3 ℃。脈拍108/分、整。血圧80/48mmHg。呼吸数20/分。SpO2 98 %(room air)。この患者の末梢血May-Giemsa 染色標本(別冊No. 20)を別に示す。この疾患で正しいのはどれか。
- ⑴ 経口感染する。マラリアはハマダラカの吸血により媒介され、経口感染ではありません。
- ⑵ 脾腫がみられる。感染赤血球の脾臓での処理により脾腫がみられ、正しい記述です。
- ⑶ ワクチンが有効である。渡航者向けに一般的に使用できる有効なワクチンは普及しておらず、予防は防蚊と予防内服が中心です。
- ⑷ 潜伏期は3 ~5 日である。潜伏期は熱帯熱マラリアで約7〜14日で、3〜5日ではありません。
- ⑸ キノロン系の抗菌薬が有効である。治療は抗マラリア薬で行い、キノロン系抗菌薬は無効です。
この問題は別冊の図版(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵です。アフリカ滞在からの帰国後に、悪寒戦慄を伴う発熱が周期的にみられ、低血圧を伴うことから、マラリア(アフリカでは重症化しやすい熱帯熱マラリアが多い)が考えられます。末梢血塗抹標本では赤血球内に原虫がみられると想定されます。マラリアでは感染赤血球の破壊と処理により脾腫や貧血、血小板減少がみられます。ハマダラカに刺されて感染し、潜伏期は熱帯熱マラリアで約1〜2週間です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-01.html)を加工して作成