68 歳の男性。就寝中の行動を心配した妻に伴われて来院した。週に数回、就寝後1 …
68 歳の男性。就寝中の行動を心配した妻に伴われて来院した。週に数回、就寝後1 時間半ほどすると大声をあげ、むっくと起き上がって何かと戦っているような行動をするようになった。妻が制止すると我に返り「夢を見ていた」と言い、再び就寝し翌朝には夢の中でのことだったと記憶している。日中の行動異常は全くない。身体的には体が固く動作が遅くなったといい、物忘れを自覚している。身長168cm、体重60 kg。四肢に筋強剛を認める。Mini-Mental State Examination〈MMSE〉では21 点(満点30)。血液所見、血液生化学所見、脳波および頭部単純MRI に異常を認めない。この患者の睡眠障害はどれか。
- ⑴ 夜間せん妄意識障害による夜間の混乱で、覚醒後に夢として想起できることは通常ありません。
- ⑵ 睡眠時遊行症ノンレム睡眠の深睡眠期に起こり、本人は出来事を記憶していないのが特徴です。
- ⑶ ナルコレプシー日中の過眠と情動脱力発作が特徴で、日中の症状がない本例とは合いません。
- ⑷ むずむず脚症候群入眠時の下肢の不快感と動かしたい衝動が特徴で、夢に一致した行動ではありません。
- ⑸ レム〈REM〉睡眠行動障害夢の内容に一致した異常行動と覚醒後の想起がみられ、本例に合致します。
解説
正解は⑸です。睡眠開始から時間がたった時期に、夢の内容に一致して大声を出したり戦うような行動をし、制止すると覚醒して夢の内容を想起できることから、レム睡眠行動障害と考えられます。本来レム睡眠中にみられる筋緊張の消失(アトニア)が障害されているためです。筋強剛や動作緩慢、認知機能低下を伴っており、Lewy小体型認知症やParkinson病などのαシヌクレイノパチーの前駆・合併症状として重要です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-01.html)を加工して作成