71 歳の男性。肝炎ウイルス検診で「現在、C 型肝炎ウイルスに感染している可能性…
71 歳の男性。肝炎ウイルス検診で「現在、C 型肝炎ウイルスに感染している可能性が極めて高い」と判定されて受診した。高血圧症でカルシウム拮抗薬を内服している。12 歳時に交通事故で輸血を受けた。喫煙歴はない。飲酒は機会飲酒。意識は清明。脈拍76/分、整。血圧132/74mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。血液所見:赤血球485 万、Hb 14.7 g/dL、白血球6,300、血小板16 万。血液生化学所見:総蛋白7.3 g/dL、アルブミン4.5 g/dL、総ビリルビン0.7 mg/dL、AST 24 U/L、ALT 28 U/L、γ-GT 36 U/L(基準13~64)、尿素窒素12 mg/dL、クレアチニン0.5 mg/dL、eGFR 82.8 mL/分/1.73 m²。免疫血清学所見:HBs 抗原陰性、HBs 抗体陰性、HBc 抗体陰性、HCV 抗体陽性、HCV-RNA 陽性。腹部超音波検査で異常を認めない。第一選択薬はどれか。
- ⑴ インターフェロン副作用が多く効果も劣るため、DAAの登場後は第一選択として用いられません。
- ⑵ 核酸アナログ製剤B型肝炎ウイルスの逆転写酵素を阻害する薬で、C型肝炎には用いません。
- ⑶ グルココルチコイド免疫を抑制しウイルス増殖を助長するおそれがあり、C型肝炎には用いません。
- ⑷ ウルソデオキシコール酸肝庇護薬で肝機能改善を目的とし、ウイルス排除はできません。
- ⑸ 直接作用型抗ウイルス薬〈direct acting antivirals〉2024年時点でC型肝炎の第一選択で、高率にウイルスを排除できます。
解説
正解は⑸です。HCV抗体陽性かつHCV-RNA陽性で、C型慢性肝炎の状態です。2024年時点の治療は、ウイルスの複製に必要な蛋白を直接阻害する直接作用型抗ウイルス薬(DAA)によるインターフェロンフリー治療が第一選択で、8〜12週の内服で95%以上の高率にウイルス排除が得られます。副作用の多いインターフェロンは現在ほとんど用いられません。核酸アナログはB型肝炎の治療薬です。DAAは併用薬との相互作用の確認が必要です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-01.html)を加工して作成