25 歳の女性(2 妊0 産)。初経は12 歳。4 日前から下腹部痛を自覚したた…
25 歳の女性(2 妊0 産)。初経は12 歳。4 日前から下腹部痛を自覚したため産科診療所を受診した。月経周期は28 日型、整、順。最終月経は10 日前から5 日間。最近2 年間に2 回人工妊娠中絶手術を受けた。身長160 cm、体重53 kg。体温37.9 ℃。脈拍100/分、整。血圧116/62 mmHg。呼吸数20/分。腹部は平坦で、下腹部に反跳痛を認める。内診で子宮は正常大で圧痛を認める。付属器は痛みのため触知できない。腟鏡診で外子宮口に黄色膿性分泌物を認める。血液所見:赤血球320 万、Hb 10.3 g/dL、Ht 30 %、白血球18,300(桿状核好中球60%、分葉核好中球26 %、好酸球0 %、好塩基球1 %、リンパ球13 %)、血小板41 万。CRP 16mg/dL。妊娠反応検査陰性。経腟超音波検査で左卵管のソーセージ様腫大を認め、同部が痛みの最強点となっている。まず投与すべきなのはどれか。
- ⑴ 抗菌薬細菌感染による骨盤内炎症性疾患であり、まず抗菌薬を投与します。
- ⑵ 整腸薬腸内環境を整える薬で、感染症である骨盤内炎症性疾患の治療にはなりません。
- ⑶ 抗ウイルス薬起炎菌は淋菌やクラミジアなど細菌であり、抗ウイルス薬は無効です。
- ⑷ GnRH アゴニスト子宮内膜症などに用いるホルモン療法で、急性感染症の治療ではありません。
- ⑸ グルココルチコイド炎症を抑えても感染を悪化させるおそれがあり、まず行う治療ではありません。
解説
正解は⑴です。性活動期の女性で、発熱、下腹部の反跳痛、子宮の圧痛、子宮頸管からの膿性分泌物、著明な炎症反応、卵管のソーセージ様腫大を認め、妊娠反応は陰性であることから、骨盤内炎症性疾患(卵管炎・卵管留膿症)と考えられます。起炎菌として淋菌、クラミジア、嫌気性菌などを想定し、まず広域の抗菌薬を投与します。人工妊娠中絶などの子宮内操作は上行感染の危険因子です。膿瘍形成や改善不良例ではドレナージや手術を検討します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/topics/tp240424-01.html)を加工して作成